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Sep 21, 2006

SITAARA、 Loup-de-mer

9月18日(月)
 3連休の最終日。午前中に、先日録画しておいた茶の味を観た。90年代以降の日本映画にありがちな、直感的には判りにくくて、最初の30分くらいは観るのにエネルギーがいる作品。でも、途中からなんとなく面白くなってきて、終わってから気になっていろいろ調べてみる。

 午後から、南青山のインド料理店SITAARA。白をダークブラウンを基調とした内装は、いわゆるインド料理店とは一線を画す雰囲気。1800円のランチコース。ムルギ・マライ・カバブは、非常に柔らかく、さっぱりとしたチキン。目の覚める秀逸な味。高級店らしく、冷めないように皿もしっかり温めてあった。カレーはダール・タルカ(豆のカレー)を選択。クミンの香りがさわやかな、あっさりとした味。ニンニクの風味がアクセントになっている。付け合せは、ナンとライス両方が付いており、ライスは長粒米で、タイ米よりもさらに長い品種のもの。2年前にイギリスで食べて以来。


9月20日(水)
 ランチを食べに、神田の洋食店ルー・ド・メールへ。入り口から中をのぞいた時に、知っている顔を見つけてしまった。そして、一瞬目が合ってしまったような気がした。
 元A社の社長だったNさん。当時、業界ではカリスマ的存在だったNさんからは、私がまだどうしようもなく若くて世間知らずだったのに(いや、だからなのかも知れないが)、有形無形の様々な援助をしていただいた。
 多忙なNさんと直接会う機会はそんなに無かったが、Nさんと最後に会ったのは、新宿のパークハイアットの日本料理店梢の個室。ディナーに招待してもらい、それまで食べたことの無いような、高級料理をご馳走になり、仕事を励ましてもらった。しかし、その仕事も半ばで私は職を辞すこととなり、直接詫びる機会も無いままになってしまっていた。
 一方、A社のほうも、その後経営が悪化し、C社の傘下に入ってNさんは経営から手を引くことになった。その後、A社の出版部門だけはブランドが残り、今でも日本で唯一のパソコン週刊誌としてキオスクや書店の店頭に並んでいる。

 店員に通されたのは、あろうことか、Nさんの斜め向かいの席。殆ど相席といった状態。Nさんが私の隣の席の男性との会話は殆どききとれる状態だった。Nさんは私のことを覚えているだろうか。時は流れ、私も年をとって体重も増え、顔の輪郭も変わった。たぶん、会ったことのあるヤツだということは気づいたと思う。目を合わす勇気は無く、メニューを見ながら、どうしようかと考えていた。

 やがて、注文した北海道黒毛和牛カレーが運ばれてきた。今からちょうど10年前に、京橋のレストラン、ドン・ピエールでランチのカレーを食べた。その時のシェフ鈴木正幸氏が、今はこのルー・ド・メールの厨房にいる。あの時と味は変わっただろうか…。しかし、来店前に考えていたそんなことを検証する余裕などなく、似ている味のような気がするというかすかな感覚と、ビーフの柔らかさ、肉のほぐれ方に感心しつつ、どこかうわの空だった。「違う、マーケットプライスや!…」Nさんたちの熱心な会話が聞こえる中、どうすべきか考えていた。

 結局、Nさんは、先に席を立った。何も挨拶をしない訳にはいかないと思い、私も慌てて席を立ち、レジへ向かった。Nさんは、相方に会計を任せ、レストランの裏の方へ消えた。店の外で、Nさんを待ってみたが、出てこなかった。いつまでも待つ訳にいかず、私も会議の時間があるので、駅へ向かった。

 
 昼食でNさんを見かけたことは、私の気持ちを重くした。8年前、仕事を変えた時に、いろいろなものを切り捨て、一方でいろいろなものを得た。切り捨てることになったものの中に、関係する人々の私に対する期待があった。期待されることから逃れて、今現在の自分の生活がある。しかし、逃れ得た今の自分は、かつてのその期待した人々に面と向かって堂々と説明できるものだろうか。ルー・ド・メールで話しかけることができなかったのは、そうじゃないということを意味しているのだろう。

 今日、Nさんのことをネットで調べて、Nさんの今の会社のオフィスがルー・ド・メールと同じビルに入っていることを知った。

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