« A◇7 | Main | 発言改竄 »

Feb 16, 2005

バイオハザード

 少年による殺人が起こるたびに、テレビゲームやアニメの暴力的なシーンのせいにするような記事が出るのにはうんざりする。それが理由であるなら、暴力シーンどころか、母子家庭も放送禁止、戦闘シーンでも敵も味方も全員パラシュートで脱出して誰も死なない「G.I..ジョー」みたいなアニメしか作らない規制国家のアメリカはどうなんよ。小学生が同級生を銃で殺したりしてるじゃない。…と表面的な反論だけだとつまらないので、いつも思っていることを書く。
 下に引用した毎日新聞のような記事が毎回でてくるのは、記者が馬鹿だから、という理由だけではない。端的に言えば読者もそれに輪をかけて馬鹿だからなんだけど、判りやすく言うと、そのような理由であることを読者(大人)が望むからである。つまり、「大人が忌み嫌う何か(今回はゲーム)のせいにすること」は、「事件が起こった時に子供に対して不安になる大人のための癒し」なんじゃないか。
 現代は狂っている。暴力的なテレビゲーム、アニメ、マンガ。インターネットも子供が接したらいけない邪悪な情報に溢れている。昔とは違う、昔は良かった。のどかだった。子供による殺人なんてなかった。・・・っていう風に思いたい大人が大勢いる。事件の原因を知りたいんじゃない。原因を決めて安心したいだけだと思う。
 ちょっと前の話だが、少年犯罪は昔だって多かったという話を、昔は良かったと言いたがる職場のおじさんに言ったら、そんな訳無いだろ!君は毒されている、と逆切れされた。警察の統計資料とかを引用しても聞く耳を持たなかった。ジェネレーションギャップは本質的に、自分の理解できないものに対する憎しみによって生まれるのだと悟った。

 今日、少年犯罪データベースというサイトの存在を知る。世の中どんどんおかしくなってることにしたがる人々にうんざりしているのは自分だけではなかった。

===以下毎日新聞の記事===

◇普通の少年…孤立と挫折

 級友たちが「普通の子だった」と口をそろえる少年を何が凶行に駆り立てたのか。

 テレビゲーム「バイオハザード」。主人公がゾンビをショットガンなどの武器で倒し続ける。96年に第1作が発売された「バイオ」はゲーム自体の面白さのほか、斬新な画面でも評判を呼んだ。続編を含め全世界で数千万本が売れ、映画にもなった。

 少年も小学生の時から「バイオ」にはまった。攻略法を友人の前で見せ得意げだった。小学校で同級だった高校2年の男子生徒(17)は「学校で一番うまかった」と語る。ただゲーム以外に話題が少なく、教室でも一人でいることが多かったという。おとなしい普通の子は学校で孤立するようになった。

 小学校の卒業文集に「ゲームクリエーター」への夢を書いた少年は「ゲームもすごく人気が出ると思うから、すごくもうかると思う」と書いた。

 関西学院大の野田正彰教授(精神病理学)は「作文の内容に違和感はない。こんなことを言う子はいっぱいいる。ただ、何らかの挫折体験があって社会に出て行けなくなった。回想的に『どうして』と考え、小学5、6年の時の担任のせいだと考えたのではないか」と推測する。

 学校を休み始めたのは小学6年のころ。中学1年の2学期ころには不登校になり、中学の卒業式にも出席しなかった。

 事件の1週間前、少年に会った別の同級生は「声を掛けても無視された。茶髪で人も変わってしまった」と驚いた。

 14日午後2時すぎ。少年は母校に近い食堂で、うどん定食を食べた。食後30分近く、じっと座り、たばこ3本を吸った。うつむきかげんで思いつめたような表情だったという。午後3時すぎ、事件は起きた。
毎日新聞 2005年2月16日 東京朝刊

|

« A◇7 | Main | 発言改竄 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79741/2976350

Listed below are links to weblogs that reference バイオハザード:

« A◇7 | Main | 発言改竄 »